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子どもの発熱

子どもの熱がある時の受診の目安

子どもの熱がある時の受診の目安

38℃以上の発熱があり、以下のうち1つでも当てはまる場合には、お早めに当院にご相談ください。

  • 呼吸がゼーゼーしている
  • 元気がない、ずっとぼんやりしている
  • おしっこが出ない、量が少ない
  • 唇、口が渇いている
  • 母乳、ミルク、水を飲めない
  • 鼻水、咳がある
  • 嘔吐、下痢がある
  • ずっと機嫌が悪い、泣いている

37℃台で元気かつ食欲があり、水分がしっかりとれている場合には、基本的にご自宅で様子を見てくださって構いません。ただし、もし不安な症状があるという場合には、当院にご相談ください。

子どもが発熱した時の
対処法

子どもが発熱した時の対処法

熱が出た時は次の2項目をチェックしましょう。
1) 顔色が悪化していないか?
2) けいれんの有無や意識は朦朧としていないか?
しんどそうではあるが顔色が良く、けいれんしておらず意識がしっかりとしている場合は、まずはお子さんを安静に保って頂き、発熱が引き起こしている苦しみや痛みを緩和するホームケアを行いましょう。

発熱による苦痛を和らげる方法

突然熱が出た時に行う最適なホームケアは、氷枕や氷のうで冷やすことです。
おでこに貼って発熱に伴う苦痛を緩和する製品よりも、氷枕や氷のうの方が有効です。
水でしぼったタオル、タオルで包んだ保冷剤でうなじ、腋の下、足の付け根などを冷やしてあげるのも良いでしょう。

体を冷やすコツ

大きな血管がある脚の付け根や首周りを主に冷やすと有効ですが、子どもが嫌がるようであれば、無理して冷やす必要はありません。
体を冷やすのは解熱薬と同じく、一時的に苦痛を緩和する手段の1つですので、冷やすことでお子さんが気持ちよさそうにするのであれば冷やしてあげましょう。

しっかりと水分補給を

しっかりと水分補給を 脱水症状に陥らないよう、小まめに水分補給を行います。湯冷まし、スポーツドリンクによる水分補給をおすすめします。経口補水液については、医師の診察を受けてから飲ませるようにしましょう。

消化の良い食事を

消化の良い食事を食欲がある場合も、消化の良いものを食べさせてあげてください。お粥、うどん、ゼリー、リンゴ、バナナなどがおすすめです。食べる量が普段より少なくても、心配する必要はありません。

発熱した時の服装

熱が上がってきている時は、手足が冷えて震えるため体を温めましょう。
熱が上がりきると手足が暖かくなり、汗をかくため、薄着にして体全体の熱を逃がし、布団をかけずに脱水症になるのを予防しましょう。
汗をかいているか判断する基準は、子どもの背中に手を当てて「しっとり汗が感じられたら」とお考え下さい。

子どもの発熱の原因は?

病原体が体の中に入ってくると、その毒素に反応して体が発熱物質をつくりだすことで、発熱が起こります。
体温が上がると、体内で「白血球」を含む防衛システムが機能し、病原体を取り除きます。
また「リンパ球」には、既に排除した病原体を記憶して再び同じ病原体が侵入してきた時に速やかに除去する機能があり、これを一般的に「免疫」と呼びます。いわば発熱は、身体が病原体と戦ってくれているサインでもあります。
下記は発熱の原因となる病気です。

風邪

発熱に加えて、下痢や腹痛、頭痛、咳、のどの痛み、鼻閉塞感、鼻水などの症状を認めます。

溶連菌感染症

溶連菌に感染することで、発熱だけでなくのどの痛み、舌の赤色の発疹、のどの白色の発疹なども認めます。

ヘルパンギーナ

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスに感染することで、発熱だけでなく、発疹やのどの痛みも認めます。激しいのどの痛みが出るため、食物がのどを通過しない場合もあります。

プール熱(咽頭結膜熱)

アデノウイルスに感染することで、発熱だけでなく、目やにや目の充血、発疹などの症状が現れます。
ひどくなると髄膜炎が発症する危険性が高くなります。

麻疹(はしか)

発熱に加えて、目やに、咳、鼻水などの症状が現れます。一旦解熱した後、高い熱が出て発疹も認めます。脳炎や肺炎、中耳炎なども一緒に発症する危険性があります。

インフルエンザ

急に高い熱が出ることに加えて、のどの痛み、鼻水、咳、全身のだるさ、筋肉痛、関節痛、頭痛などの症状が現れます。ひどくなると肺炎や脳炎に繋がる可能性が高くなります。

新型コロナウイルス感染症

乾いた咳・発熱の発症が比較的多く、下痢・腹痛・嘔吐などの消化器症状が現れることもあります。大人と同様に発熱が長期化して肺炎を発症することもあります。

川崎病

発熱に加えて、唇の発赤、発疹、目の充血などの症状を認めます。首や手足のリンパ節が腫脹する場合もあります。感染症ではないうえ、長期間にわたる原因不明の発熱があるお子さんは、川崎病の可能性があります。

がん・白血病

がんを発症すると腫瘍熱と呼ばれる、がんによる発熱を認める場合があります。風邪とは異なり、2~3日で発熱が治まったり抗菌薬を使っても解熱したりしません。また、白血病を患っていると感染症を発症する可能性が高まるので、何度も熱が出る場合があります。

子どもの発熱Q&A

熱がある時、お風呂に入れても構いませんか?

38.5℃以上の発熱がある場合、それ以下でもぐったりしている場合は、体力を消耗させないようシャワー・入浴は控えましょう。38.5℃未満で元気な様子であれば、シャワー・入浴をしても構いません。ただしその場合も、短時間でサッと終わらせるようにしましょう。

解熱剤は使ってもいいのでしょうか?

子どもの大半の発熱は、ウイルス感染が原因で発症する咽頭炎や上気道炎などの風邪によって引き起こされます。発熱のせいで、ご飯が食べられない、水分が摂れない、眠れないなど辛そうな状態の場合は、解熱剤を使うことで少しでも体が楽になりますので、使っても問題ありません。ただし、解熱剤そのものは疾患の治療薬ではなく、発熱を一過性に抑えるだけのお薬ですので、症状を落ち着かせる目的で使いましょう。

昨晩まで38℃の熱がありましたが、今朝は平熱です。保育園に行っても構いませんか?

子どもの熱は、夜に高くなり、朝には下がることが多くなります。そのため、保育園に行ってから熱が上がってしまう可能性がありますので、お休みされることをおすすめします。

子どもが水を飲んでくれません。どうすればいいですか?

少量の水も飲めず、6時間以上おしっこが出ていない、口内や唇が乾燥している、ぐったりしているという場合には、脱水症状が疑われます。すぐに当院にご相談ください。水を飲まない場合、スポーツドリンクだと飲んでくれる場合もあります。